2016年10月29日

【本】「文藝別冊 総特集ゆうきまさみ 異端のまま王道を往く」

「文藝別冊 総特集ゆうきまさみ 異端のまま王道を往く」 河出書房新社/2015年

 漫画家ゆうきまさみのデビュー35周年を記念した特集ムック。内容は、本人の3万字インタビュー、有名作家らの特別寄稿、鼎談2本(羽海野チカ・荒川弘・ゆうきまさみ、とまとあき・川村万梨阿・ゆうきまさみ)、脇役キャラ名鑑、主要作品解説、作品年表など。

 かなり充実したコンテンツの、ゆうきまさみ特集本である。自らの漫画家人生を振り返ったロングインタビューを始め、読み応えのある記事が多く、長年の読者の方にとってはたまらない内容なのではないかと思う。私自身は、十代の頃に「究極超人あ〜る」を猛烈に愛好したものの、その他の作品は「パトレイバー」と「じゃじゃ馬」を通読したことがある程度なので、熱心なゆうきまさみファンを名乗ることはとてもできない。そんなライトなファンにとっても、なかなか興味深い一冊だった。

 個人的に面白かった記事は、ゆうきまさみ・とまとあき・川村万梨阿によるスペシャル鼎談だ。1970年代後半に、東京・江古田にあった喫茶店「まんが画廊」で、同好の士たちがアニメについて語り合ったり、アニパロ(今で言う「二次創作」みたいなものか)に精を出したりする様子が赤裸々に語られていて、漫画家ゆうきまさみの原点を見たような気がした。この「まんが画廊」は、小さな喫茶店だったにもかかわらず、他にも有名漫画家になった人などが出入りしていたのだそうだ。同じベクトルを持った人たちは、集まるべき場所に集まるものなのだな、と思った。


posted by A at 23:11| 本(その他) | 更新情報をチェックする