2013年12月01日

テキストサイト雑感

 前回、「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」という本を取り上げたので、今回は個人的なテキストサイトの思い出を少々。

 私がインターネットを使い始めたのは1998年頃のことでしたが、「テキストサイト」というジャンルが存在することを知ったのは、やはり有名な「侍魂」がきっかけでした。爆発的な人気を集めたこのサイトによって、初めて「テキストサイト」なるカテゴリに分類されるサイト群があることを知り、さまざまなサイトを渉猟し始めたのでした。

 その後、少なからぬサイトをブックマークに入れて日々巡回していたのですが、中でも強い印象を受けたのは、当時既に更新を終了していた大御所「"FUNNY" GAMER'S HEAVEN」(管理人:石橋さん)でした。「ハガキ職人」系の才能の一つの到達点とでも言うべき出色のサイトであり、ゲーム批評も日記もひっくるめて、管理人の天才ぶりをまざまざと見せつけられた思いでした。

 既にテキストサイト文化は衰退して久しいですが、あのころテキストサイトがあれだけ盛り上がった理由について改めて考えてみると、そのひとつに「参入のハードルの高さ」が挙げられるのではないでしょうか。あの当時、自分の文章を発信するためには、まず自分のサイトを自ら組み上げる必要があり、その後の更新にも一定のHTMLの知識が必要でした。そして、こうした事情が一種の足切りになり、「それでもテキストを書きたい」という高い意欲と能力を持った人たちが、テキストサイト界隈に集まっていたように思います。その結果、選び抜かれた人々の間で相乗効果が起きて、ある種のサロンのような文化が発展したのではないでしょうか。

 だからこそ、ブログの登場によって誰もが容易にネット上の発信者側に立てるようになり、各種ブログやサイトが玉石混淆の林立状態になったとき、テキストサイトのみならず、「テキストサイト文化」的なものまでもが一気に衰退してしまったのではないか、と思います。在りし日のテキストサイト界隈の活況、時に無駄遣いとも思えるような異様な才能たちの輝きを思い出すと、ただ懐かしさを覚えるばかりです。

 最後に、余談として。当時よく見ていたテキストサイトの中で、個人的に特に好きだったサイトを2つ挙げさせていただくとすれば、「流れてゐるのでありました」(管理人:おはちうさん)と、「ベリーペコリー」(管理人:さちちさん)です。拙ブログを開設する際にも、これらのサイトへの敬意から、デザインだけでもなるべくこれらのサイトに似せて作ろうとしたものでした。あのころのサイト群の管理人が今どこでどうしているのか、もう消息を聞くこともないですが、どこかで幸せな人生を送られていたらいいな、と思っています。


posted by A at 13:48| 雑記(その他) | 更新情報をチェックする