2012年02月18日

【本】「指原莉乃1stフォトブック さしこ」

「指原莉乃1stフォトブック さしこ」 講談社/2012年

 「AKB48」メンバー、指原莉乃さんのグラビア写真と、その生い立ちなどに関する文章からなるフォトブック。

 元々、芸能界の動きには明るい方ではないのだけれど、それにしてもこのAKB48というアイドルグループは、本当によく分からない。2005年、このグループのメンバー募集に関する報道を見たとき、アイドル冬の時代に物好きなことをやるものだと、多少呆れるような感想すら抱いた。グループが無事誕生したというニュースに接しても、全く垢抜けない女の子たちを見る限り、とてもこのグループが大成するとは思えなかった。初めてテレビでこのグループの歌(「スカート、ひらり」)を聴いたとき、こんな昭和のアイドルソングのような歌では、とても人気は得られないだろうと思った。CDの販売問題で公取に目を付けられ、レコード会社との契約を打ち切られた時には、これでこのグループは完全に終わったと思った。「RIVER」でオリコン1位を取ったときには、これで人気上昇の勢いも一段落するだろうと思った。「ヘビーローテーション」で大ブレイクした時には、これで人気もピークだ、あとは落ちていくだけだと思った。そして、これらの予想は、何ひとつ的中しなかったのだ。

 なぜ、AKB48というグループは爆発的な人気を集め、しかもその人気を高い水準で維持できているのだろうか。その理由は既に各所で語り尽くされているけれど、その一端を、この「さしこ」という本にも見ることができる。本書では、人気メンバーの一人、指原莉乃さんの生い立ちについて、さまざまな人々の証言を集めながら、かなり詳しく紹介している。平凡な子供時代、いじめを受けて不登校になった中学生時代、AKB48に合格するもなかなか芽が出なかった雌伏の時代、そして現在のブレイク。これは、普遍的な共感を獲得しやすいシンデレラ・ストーリーの原型に、そのまま当てはまるものではないだろうか。しばしば言及されることだけれど、こうした個人の成長過程を赤裸々に提示することが、AKB48というグループの人気の秘訣の一つなのだろうと思った。

 我々には、ある対象に資源を投入すればするほど、ますますその対象に執着してしまうような傾向がある。AKB48のCD販売に関しては、ファンによる大量買いが批判されることがあるけれど、逆に言えば、こうした強力なファン層が下支えしているからこそ、AKB48の人気は多少のことでは揺るがず、当面安定的に維持されていくのではないか。このお化けグループの勢いがどこまで続くのか、興味深く見守っていきたい。

posted by A at 14:13| 本(その他) | 更新情報をチェックする